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頂き物。
紅砂さんのサイト、紅い砂で2000HITを踏んでもらったものです。
これはお持ち帰りしないで下さいよ?
オフィス街の明かりも消え始める真夜中




淡い月の光が降り注ぐ部屋を、ブルースは画面越しに見つめていた。


何も動くものがない空間。

唯一、聞こえるのは幼い主の規則正しい寝息だけ。


まだあどけない表情は、普段の彼を知る者には想像も出来ないだろう。


年相応の彼を知るのは自分と極僅かの数人だけ、そう思うと妙な優越感が湧いた。




『ふん、浅ましい考えだな』




深い静寂を突き破るように声が響いた。




「貴様には言われたくない」




ブルースは聞こえた声に応えると、背後を振り返る。


そこにいるのは、所々データは欠けてはいるものの、闇に取り込まれたあの時の自分そのものだった。




『否定はしないんだな』




ダークブルースはブルースを嘲笑う。




「貴様が言うのであれば間違いではないのだろう?一応、俺の一部なのだからな」




ブルースの余裕のある声を聞いて、ダークブルースの顔から笑みが消えた。


見えないバイザーの下でブルースを睨みつける。




『貴様が俺の一部だ』



「俺はどちらでも構わないが、」




そう言うとブルースは視線を外し、未だ穏やかに眠る主を見つめた。


きっと彼は自分に闇の部分が残っていることを知らないだろう。


そして、これからも自分が隠し続ける限り、知ることは決してないだろう。




「…‥そういえば貴様、まだ炎山様を殺そうなどと企んでいるのか?」



『炎山が俺を束縛し続ける限りはな、』



「そう…‥、か」




ダークブルースが考えることは同時に、自分が無意識の内に考えていることでもある。


彼は自分の中に存在する闇そのもの。
つまり、そういうことだ。













「確かにビヨンダードで実体化した時は、解放された気がして気分が良かったが…‥」



『だろう?』




ダークブルースはまたも笑う。


だが、きっと自分と彼の気分が良かった訳は違うのだろう。


自分は主と同じ空間で役に立てることに喜びを覚えたが…‥




「だが、解放されて何処へ行く?はぐれナビにでもなるか?」



『その辺りの雑魚と一緒にするな』




ダークブルースは吐き捨てる様に言った。


だが、逆にそれは行く当てがないことを示していた。



ブルースはその返事を聞いて安堵する。


行く当てがないうちは闇の心に負けることは、七年間仕えたこの主の元を離れることはないだろう。



主から解放されることが望みであると同時に、まだまだ幼さの残るこの主を支えることも己の望みなのだから。






いつの間にか明るくなり始めた空は、今日も自分がここにいることを告げる。


自分の名を呼ぶ声が聞こえる。


まだまだ、主は自分の闇を知らない。

| 頂き物*色々 | 14:53 | comments(0) | trackbacks(1) |
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